目の前にあるのは、11月3日の東日本実業団対抗駅伝。コースには折り返しや急なカーブ、路面の変化といった難所があり、イメージ通りに走るのは簡単ではない。それでも吉田響選手は、自分の役割をはっきり理解している。順位を上げ、チームに貢献すること。タイムは自然についてくると信じ、冷静にペースを刻むその姿からは、緊張感の中でもブレない判断力とリズム感が伝わってくる。
世界陸上で日本選手が海外の強豪と戦う姿を見ながら、吉田響選手の頭の中には少しずつ「世界で戦う自分」のイメージが浮かぶ。目の前のレースへの集中と、まだ見ぬ舞台への挑戦心が交錯する瞬間だ。責任感と覚悟、そして競技者としての喜びが同時に感じられる。
また、ファンや支援者への感謝も忘れない。「Team響」の存在は大きく、11月3日には自分らしい走りを見せ、その後の初のファンミーティングでメンバーの皆さんと直接会えるのも楽しみにしている。
北海道合宿の朝練後、吉田響選手の目には挑戦の覚悟と未来への希望が光っていた。支えてくれる「Team響」や支援者の存在を胸に刻み、プロランナーとしても、一人の人間としても強さを示す―その姿は、ファンの心に深く刻まれるに違いない。