2025年11月号
吉田響、激動の11月と“2位”への決別。
この1ヶ月は、吉田響にとって、キャリアの分岐点とも言える特別な時間となった。大学卒業後、初めて挑んだ実業団駅伝の舞台。そして、自身のファンと初めて直接言葉を交わしたファンミーティング。かつて箱根の山を沸かせた男は今、実業団という新たな戦場で何を思い、何を感じているのか。
ニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)に向けた過酷な強化合宿の合間を縫って、現在の胸中を余すところなく語ってもらった。
レースやイベントと多忙な11月だったと思いますが、まずは近況について教えてください。

吉田響
そうですね。11月の前半はレースやイベントでバタバタして大変な部分もありましたが、今はもう完全に切り替えています。ニューイヤー駅伝に向けた「強化期間」で、質・量ともにかなりハードなトレーニングを積んでいます。大変ですけど、こうして競技に専念させてもらっている環境には感謝しかありません。
─ 具体的にはどのようなサイクルで進めているのでしょうか?

吉田響
レース後の1週目は本当にしっかりと休ませていただきました。週末にファンミーティングがあって、2週目から、休んだ分をしっかり戻す作業を行って、今(11月第3週〜第4週)はまさに「強化期間」の真っ只中です。年内いっぱいはこの形が続くので、今週から来週にかけてもしっかりとトレーニングを積み上げていきます。

Chapter1
「実業団デビュー戦:「東日本実業団駅伝」で見えたもの」

ー11月3日に行われた「東日本実業団対抗駅伝」。久しぶりの駅伝であり、実業団デビュー戦でした。スタート前、どのような心境でしたか?

吉田響
スタート前はやっぱりワクワクしていましたね。本格的に他の実業団選手と戦うのが初めてだったので「自分の実力がどれだけ通用するのかな」という思いと、やっぱり僕たちの同期がすごく強いんですよ。GMOインターネットグループの太田(蒼生)選手だったり、富士通の篠原(幸太朗)くんだったり。本当に強い選手たちなので、彼らと「どんな勝負になるのかな」とワクワクしていました。
ー前日までは不安もありましたか?

吉田響
僕はあまり深く考えるタイプではないんですが、ふと頭をよぎる時はありましたね。「どんな展開になるかな」と想像すると、少し緊張感もありました。でも、いざ試合当日の朝を迎えたら、もう「今日、試合だ!」って(笑)。「やっと久しぶりの駅伝を走れる」という喜びで、不安はなく100%「楽しみ」という寝起きでした。夜もしっかり眠れましたし、アップもしっかり集中した状態で臨めたと思います。
ーレース当日は何時に起きましたか?

吉田響
朝4時過ぎですね。基本的には試合の4〜5時間前に起きるのが良いとされていて、今回は9時頃の出走だったので、ちょうど5時間前の4時頃に起きました。
ー勝負メシは何を食べましたか?

吉田響
うどん、おにぎり、バナナ、カステラです。レース当日はこのようなメニューで炭水化物中心に摂取します。その後にチームのトレーナーさんに体のコンディション調整、マッサージなどをしていただいてから現地に向かいました。』
ーレースは4位で襷(タスキ)を受け取りました。どのようなプランを描いていましたか?

吉田響
チームとしてはもっと前で渡したかったかもしれませんが、個人的には「前を追える展開」だったので嬉しかったですね。やる気に満ち溢れていました。3位のスバルの選手が見える位置で渡してもらったので、全体を見通しやすく、自分のペース感覚がつかみやすかったです。「これなら追いつけるかも」という距離感でしたし、2周目に入った時にはだいぶ近づいた感覚があって、「これは3周目あたりで追いつくな」と思っていました。
ー実際に走り出してからの感覚はどうでしたか?

吉田響
今回のレースは、最初の1kmの入りが失敗だったんです。僕はいつも気持ちが入りすぎて突っ込んでしまうので、今回は「ゆっくり入ろう」と意識していたんです。でも、その感覚で入ったら、想定以上に遅くて。「あれ、進んでないぞ」と。1km通過のタイムを見て「これはまずい!」と焦りました(笑)。
そこから修正して、6〜7km地点でようやくフォームとリズムが噛み合ってきました。

今回はリズムに乗るまでに少し時間がかかった印象ですね。ただ、そこからはスピードに乗れましたし、前の選手(スバル・山本 唯翔選手)に追いついてからは並走してリズムをもらえたので、進めば進むほど良いリズムで走れました。
ー終盤、GMOの太田選手やロジスティードの四釜選手との激しい競り合いになりました。

吉田響
3周目あたりで、太田選手が見えてきた時は「行くぞ、行くぞ!」とかなり乗っていました。ただ、ラストの4周目が……きつかったですね。ペースが安定してしまって、そこからもう一段階ギアを変えることができなかった。特に四釜選手が結構仕掛けてくる展開が多くて。「もう前に出ないでくれ」と思いながら走っていました(苦笑)。

彼が前に出てくれた時は、僕は後ろについて動きを合わせるだけだったので楽な部分もあったんですが、彼の走りが独特なリズムで、そこに対応するのに少しリズムを崩された部分はありました。
ーラストの勝負、ご自身の中でどう分析していますか?

吉田響
形としてはラスト1kmからペースを上げて、最後のトラックに入った残り250m〜300mくらいから本格的にスピードに乗った形でした。ペースの上げ方自体は悪くなかったんですが、本当はラスト1kmに入る前に、四釜選手が何度かもつれていた隙を狙って一気に引き離すべきでした。競技場に入った時は、後ろとも差があったので「いや、さすがに勝っただろう」と思ったんです。でも、ラストで負けてしまった。「残り300mでギリギリ勝てるかな?」という勝負をしてしまったのが敗因です
ーそ実際に走ってみて、実業団選手の「強さ」をどこに感じましたか?

吉田響
僕は「淡々と一人でペースを押していける」のが強みなんですが、逆に言えば「競り合い」や「最後の出力」が弱点だと痛感しました。実業団の選手たちは、駆け引きやラストの爆発力が本当に強い。僕はペースを維持するのに手一杯で、最後に引き離す余力が残っていなかった。そこが今回の反省点であり、実業団のレベルの高さですね。
ー振り返って、自分の中で悔しさがこみ上げてきたのはどのタイミングでしたか?

吉田響
ゴールしてすぐ!タスキを渡した瞬間から猛烈に悔しかったです。でも、さすがにそれをすぐ顔に出すわけにはいかないし、観客の方もいらっしゃるので、まずは応援してくださった方々へ感謝とお詫びを兼ねて一礼をしました。ただ、体力的にもフォームが安定せず出し切れなかった感覚があって、いつもより余裕が残ってしまっていた自分にも悔しさがありました。
ー大学と実業団。仲間や試合前の雰囲気の違いをどのように感じていますか?

吉田響
特に試合前の雰囲気が全然違いましたね。僕の母校である創価大学は、レース当日は「お祭り」みたいな感じでした。「楽しんで走れば、自然と結果もついてくる」というスタンス。一方で実業団は、何よりも「結果」を最重要視される世界です。もちろん駅伝にかける想いはどちらも一緒なんですが、実業団チームの方がより洗練されているというか、ピリッとした緊張感があります。

一方で仲間としての違いというのはあまり感じていないです。ただ、サンベルクスというチームは、この「東日本実業団駅伝(予選会)」を非常に大事にしています。他のチームと比べても緊張感が少し違うというか。「とりあえず通過できればいい」ではなく、「ここからしっかり勝ってニューイヤーにつなげる」という方針なので、その良い緊張感や影響を受けて、自分も集中できたと思います。』
ーその緊張感の中で、吉田選手はどう戦いましたか?

吉田響
チームのエースである市山さんが、「俺が絶対に1番で持ってくる」という姿勢を、言葉でも走りでも示してくれました。そこからインスピレーションというか、パッションをもらって「自分も絶対に1番に持っていこう」という強い気持ちで挑みました。
ー今回のレースを自己採点するなら何点ですか?

吉田響
甘く見て82点。厳しく見れば74点ぐらいですかね。レース映像を見返すと、前に進んでるというよりも跳ねてたなと。珍しく靴の反発に頼ってるなっていうのはありましたね。
今年の1月は大学生として箱根駅伝を沸かせた男は今、実業団という新たな戦場で何を思い、何を感じているのか。競技者としての「結果」を求められる実業団の世界に入り、その視界はさらにシャープになった。「競り負け」の悔しさと向き合い、吉田選手は自らの強みを「淡々と押していける力」と自己分析している一方で、「競り合い」や「ラストの爆発力」という実業団の最前線で求められるスキルが、現在の弱点だと痛感している。特に、ラスト300mでの敗北を「残り300mでギリギリ勝てるかな?という勝負をしてしまったのが敗因」と断じる言葉には、レースを支配しきれなかったことへの強い内省が感じられる。

 また、学生時代に「お祭り」のような環境で育った彼にとって、実業団の「結果至上主義」の緊張感は新たな成長エネルギーとなっている。チームのエース市山選手から得た「パッション」を原動力に、吉田選手は今、トラック・ロードを問わず勝てる真のエースへと進化する道のりを歩み始めたばかりだ。74点という厳しい自己採点の裏側には、「現状に満足せず、最高のパフォーマンスを追求する」というプロフェッショナルとしての覚悟が滲んでいた。

以前、ファンの応援がなければ「プロ自体になってなかったかもしれない」とまで語るように、沿道の声援は、きつい場面で踏ん張る力の源である。そして、レース後にかけられた「応援してます」というシンプルな言葉は、「次も頑張ろう」と思わせる心の栄養になっていた。彼の競技者としての葛藤や背景を理解しようとするファンの存在が、いかに大きな支えになっているかを物語る。今回はその沿道の声援、ファンの応援を改めて感じれたレースになった。区間2位という結果についても、4番手から順位をどんどん押し上げていくレースを展開し、ルーキーとしては非常にインパクトのあるデビュー戦であった。

Chapter2
「徹底解剖:吉田響のシューズ理論」

ー今回のレースで着用したシューズについて教えてください。

吉田響
「ADIZERO ADIOS PRO EVO 1(アディゼロ アディオス プロ エヴォ 1)」です。
これはもう、ここぞという時の「勝負シューズ」ですね。非常に軽量で繊細な作りなので、マラソンを1回走ったら寿命が来てしまうくらい。
だからこそ、普段の練習では絶対に履きません。自分の能力以上のものを引き出してくれる魔法のようなシューズなので、本当に大事なレース本番のために温存しています。


ー普段のトレーニングでは何足くらい使い分けていますか?

吉田響
5〜6種類くらいですね。ジョグでゆっくり走る日、クロスカントリーを走る用、レースに近いスピード練習用、中長距離用といった具合に、目的や地面の状況に合わせて細かく履き替えています。
ー市民ランナーの方に向けて、ペース別のおすすめシューズを教えていただけますか?

吉田響
アディダスのラインナップで言うと、こんな感じでしょうか。

▶キロ5分〜6分(ジョグ・ファンラン):「ADIZERO SL 2 RUNNING」
僕も普段のジョグで愛用しています(色は黒)。クッション性と安定感のバランスが良いです。

キロ3分〜4分(シリアスランナー・スピード練習):「ADIZERO TAKUMI SEN 11」🔗adidas公式HP
「戦(セン)」シリーズの最新作です。薄底に近い感覚で操作性が高いです。

キロ3分を切るような高速レース:「ADIZERO ADIOS PRO 4」や「EVO」シリーズ
ただし、選び方には注意が必要です。

「PRO 4」は反発が非常に強いので、ストライド(歩幅)が大きい選手や、つま先接地(フォアフット)で走る選手にすごく効果を発揮します。一方で、僕のようにピッチ(回転数)で走るタイプだと、反発が強すぎて逆に回転が殺されてしまうことがあるんです。
「EVO 1」はソールが薄く、レースタイヤのような素材を使っていてグリップ力が高い。足の回転数を生かしたい選手には「EVO」がおすすめです。僕は回転を回しやすいこのシューズを選んでいます。

🔗adidas公式HP・吉田響選手着用モデル 



吉田響のシューズ理論の核心は、単なる反発力の追求ではなく、走法との相性にある。高反発モデルより操作性の高い「EVO 1」を選んでいる点は、トップランナーならではの繊細な感覚と戦略的な思考を示す。普段のトレーニングで5〜6足を使い分けるのは、故障予防と同時に、あらゆる状況下での足の感覚を研ぎ澄ますためだ。彼のシューズは、自身の肉体や特性とギアの特性を科学的に理解し、最高の結果を出すための準備に一切の妥協を許さないところである。

Chapter3
「初開催「Hibiki Meeting」ファンとの交流で得た熱量」

ー11月8日は初のファンミーティングも開催されました。

吉田響
正直、試合よりも緊張しました(笑)。ファンの皆さんの前に立って話すという機会がなかなかないので。でも、MCの萩原さんと瀧川さんのサポートのおかげで、楽しく話すことができました。
ー実際にファンの方々と対面してみて、いかがでしたか?

吉田響
ステージから来場者のみなさんを見た時、知っている方もいれば、初めましての方もいて。ずっと応援してくれている方、仕事の合間を縫って来てくれた方、ご家族連れの方。「自分はこんなに色々な方に応援されているんだ」と実感できて、本当に嬉しかったです。最初は緊張していましたが、僕が少しネタっぽいことを言ったら皆さんが笑ってくれて。そこから「あ、変に緊張せず普通に話せば大丈夫だ」と楽になれました。
ー特に印象に残っているエピソードは?

吉田響
全部が思い出深いですが……。例えば、創価大時代から応援してくださっているお母様が、娘さんの卒業式に僕の写真を持って行ってくれたというエピソードを聞いたり、ご家族で来てくれた方の娘ちゃんがすごく可愛くて! 最初は恥ずかしがっていたんですが、一緒に写真を撮ったら満足してスキップして帰っていきました(笑)。それと、お父さん世代の男性ファンが単独で来てくださったのも嬉しかったですね。純粋に駅伝が好きな方から「応援してるよ」と言ってもらえるのは、また違った喜びがあります
ー次回への構想はありますか?

吉田響
参加者のアンケートを見たんですが、「練習しているところを見てみたい」という声が多かったですね。なので、今後はトークだけでなく、ランニングイベントなども取り入れて、僕の走りを間近で見てもらえるような企画ができたら面白いなと思っています。
「試合より緊張した」という吉田選手の言葉は、ファンに対する真摯さと、一人の人間として向き合いたいという誠実さの表れだ。競技では結果が全ての実業団選手にとって、ファンの多様な存在(古参の母娘、仕事の合間に来てくれた方、男性ファン)を肌で感じたことは、モチベーションを結果以外の側面からも支える「喜び」になった。「笑ってくれたから楽になれた」というエピソードからは、彼がファンを単なる支援者ではなく、物語を共有する「仲間」として捉えたいという強い願いが読み取れる。また、次回のファンミーティングへの構想を挙げるのは、彼の目標が単に速く走るだけでなく、「走る楽しさ」をファンと共有し、競技の魅力を広げるという明確なビジョンを持っていることを示唆している。

Chapter4
「決意のニューイヤー、「2位」にはもう飽きた」

ーいよいよ2026年元旦のニューイヤー駅伝です。手応えは?

吉田響
東日本実業団駅伝では3位以内を目標にしていて結果は4位でしたが、チームとしては大きな収穫がありました。これまでサンベルクスはトップ争いに絡むことが少なかったのですが、今回は序盤から上位で戦えた。これはチームにとって大きな自信になりました。ただ、2024年のGMOさんのように「最初から最後まで独走して勝つ」という強さにはまだ及ばないので、そこを目指していきたいです。そしてニューイヤー駅伝は、過去最高は15位で今回は8位入賞が目標です。
ーニューイヤー駅伝で特に意識しているチームは?

吉田響
日本駅伝界のトップチームが各地から出てきますし、もちろん初めてのレース。特に意識するのはGMOさんですね。なぜなら同期に強い選手が多いからです。他にはもちろん、東日本を制したロジスティード、名門のトヨタ、Honda、旭化成なんかも強い選手が多い。ただ、今は特定のチームや選手を気にするというより、今回はタイムを狙っていこうと思っています。
ー吉田選手の目標を聞かせてください。

吉田響
目標は明確です。「区間賞」と「区間新記録」。東日本では、最低限の仕事はしましたが、ラスト勝負で負けてしまった。あの悔しさは忘れていません。ニューイヤー駅伝では、今後のマラソン挑戦を見据えた走りをするためにも、ここで圧倒的な結果が必要です
ー具体的にどのようなレースプランを描いていますか?

吉田響
東日本のように「ラストで勝負する」ようなレースは考えていません。序盤からハイペースで突っ込んで、他チームをどんどんふるい落とし、中盤で独走態勢を築く。そしてラスト1kmでもう一段階ギアを上げて、後続との差を決定的なものにする。

本当は、ラスト1kmの時点で「どっちが勝つか」という競り合いをしているようではダメなんです。
「吉田が走れば勝負が決まる」──そう思わせるような、2位以下を大きく引き離す走りをします。
ー最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします。

吉田響
2024年の全日本大学駅伝、2025年の箱根駅伝、そして今回の東日本実業団駅伝。ずっと「区間2位」という結果が続いています。ファンの方々が「2位でもすごいよ」と言ってくださるのは本当にありがたいのですが、僕自身はもう2位には飽きました。ここで満足してしまえば、選手としてのレベルは下がってしまう。「2位でよかったね」で終わらせたくない。だからこそ、ニューイヤー駅伝では絶対に「1番」を獲ります。

たくさんの応援に支えられている感謝を、元旦の走りで、「結果」という形で恩返しします。覚悟の走りを見ていてください。
ニューイヤー駅伝 2026
第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会)

●開催日・会場
2026年1月1日(木・祝)9時15分 スタート
会場:群馬県庁前を発着とする群馬県内7区間(100.0km)大会公式HP

●ポイント
実業団最高峰の舞台: 全国から選抜された37チームが競い合う、日本一決定戦。
・風との戦い: 特に後半区間は風の影響を受けやすく、コンディションの読みが重要。
・沿道の熱狂: 選手が公道を走るため、元旦の熱気あふれる声援を沿道で受けやすい。
【コラム】吉田響の「決戦当日の流儀」

【睡眠と起床】
レース当日は、スタート時刻の4〜5時間前に必ず起床する。今回の東日本駅伝(9時頃出走)では、朝4時に起床。前夜は22時頃に就寝し、6時間の睡眠を確保した。

【試合前のケア:「お灸」と「顔への鍼(ハリ)】
トレーナーによるケアも独特である。普段のリカバリーでは筋肉を緩めるために鍼を打つが、試合当日は目的が変わる。交感神経を高め、戦闘モードのスイッチを入れるために、"あえて「顔」や「手」などの敏感な部分に鍼を打ち、お灸を据える"という。これもすべて、スタートの号砲と同時に100%のパフォーマンスを発揮するための準備だ。

【あの爆発力の源:レース当日の朝食】
消化が良くエネルギーになりやすい炭水化物中心のメニュー。うどん、おにぎり、バナナ、カステラといったメニューを摂取することで、長距離を走り切るための燃料を確実にチャージする。さらに練習時から欠かさず愛用しているサプリメントを摂取。これらは、疲労の蓄積を極力抑え、後半の競り合いでギアを入れ直すためのエネルギー源を補給する目的がある。

トップランナーは、レース展開だけでなく、体内で起きている化学変化にも徹底的に気を配っている。試合直前までの準備と補給が、終盤の激しい競り合いで粘り、ラストスパートをかける爆発力の源となる。
「2位にはもう飽きた」という言葉は、“2位”からの脱却という、強い決別宣言である。吉田選手の目標は単に区間賞を獲ることではなく、「区間新記録」。これは、彼が今後のマラソン挑戦を見据え、自らの限界に挑むことで、日本人長距離界における新基準を打ち立てるという挑戦的な意識の表れだ。東日本駅伝での競り負けを踏まえ「ラスト1kmで競り合っているようではダメ」と自らに言い聞かせている。彼が目指すのは、ライバルに力を温存する隙を与えず、中盤で勝負を決定づける「独走による圧倒的な勝利」だ。ファンの応援を力に変え、元旦の群馬でその「覚悟の走り」が結実する瞬間を、誰もが期待している。

― 響選手への応援・競技活動支援の方法 ―
このレポートは、ファンやスポンサーの皆さんに支えられて発信しています。
日々の走りを支えてくださる方々の存在が、次の一歩を踏み出す大きな力になっています。
「吉田響選手を応援したい」と感じていただけましたら、個人サポーターとして、あるいはスポンサーとして、走りを共に支えていただければ幸いです。
これからも応援していただけるよう、走りと活動を全力でお届けしていきます。

-HIBIKI YOSHIDA Official site-

    

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